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アテロームについて
高知記念病院形成外科・皮膚科 野田 理香 医師
―最近左頰に小さなしこりができました。押すと白い脂の塊のようなものが出てきます。何でしょうか?

野田 粉瘤(ふんりゅう)もしくはアテロームというしこりだと思います。皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に、本来は肌の新陳代謝によって剝がれ落ちるはずの古い角質等がたまったものです。
 最初は皮膚表面に盛り上がりはなく、触れると小さなしこりが感じられる程度ですが、大きくなるとドーム状に盛り上がって、臀部(でんぶ)などでは巨大化すると10㌢を超すこともあります。また粉瘤の特徴として、盛り上がりの中央におへそのような黒い点ができることがあります。これは皮膚に開いた小さな穴(開口部)で、この周囲を強く圧迫すると、臭くてどろりとした中身が出てくることがあります。原因は分かっていませんが、再発を繰り返す方の傾向としてバターやマーガリンのような常温で固まりやすい脂肪をたくさん取っていることが多いようです。

―放置しておいても大丈夫ですか?

野田 袋の中は角質や皮脂がたまり、時間の経過とともに大きくなっていきます。押し出して中身を出しても、袋がある限り再度内容物がたまってきます。普段は痛みやかゆみはありませんが、細菌が侵入して感染すると膿(うみ)がたまって赤く腫れ上がり、痛みを伴います。このような状態を炎症性粉瘤と呼び、切開して内容物を出す処置を行うか、自然につぶれるのを待ちます。袋はしばらくすると再発し、自然消失はまずないので、傷痕が長くなるためある程度の大きさになる前に手術することをお勧めします。形成外科では手術後の傷を考えて切除方向を検討し、できるだけ傷が残りにくい縫い方をします。
[略歴] 平成 7年 徳島大学医学部医学科卒業 平成19年 JA高知病院形成外科・皮膚科医長 平成28年 高知記念病院 形成外科・皮膚科