Home  >>  高知記念病院  >>  傷痕をきれいに
傷痕をきれいに
高知記念病院形成外科・皮膚科 野田 理香 医師
 けがや手術の傷痕にかゆみや痛みが出たり、傷が赤く盛り上がってなかなかすっきりしないことがあります。傷の範囲に症状が出てくる場合を肥厚性瘢痕(はんこん)といい、軽い症状で正常に治っていけば1~2カ月で治まっていきます。
 しかし、傷が治った後も炎症反応が強く、瘢痕が正常な皮膚まで広がって、ひどい場合はみみず腫れの状態「ケロイド」になることがあります。ケロイドは傷を引っ張る力(張力)も原因となりますので、皮膚に張力のかかりやすい上腕や胸の周り、恥骨部、耳たぶ(ピアスによるピアスケロイド)などに起きやすいです。形成外科では、手術後の傷痕を考えて切開方向を考えたり、抜糸後、切開創にかかる張力を弱くするためのテープを貼付することが多いです。
 また最近ω3系脂肪酸(野菜や海藻、魚類)がアレルギー症状に良いという情報がよく出ていますが、これは炎症を起こしやすいω6系脂肪酸(植物油、肉類)の働きを抑えるためです。詳しく知りたい方は「アラキドン酸カスケード」という言葉を調べてみてください。本来は人間をばい菌などから守る炎症という仕組みが、過剰なω6系油脂の摂取で”炎症を起こしやすい体質“
に変わっていきます。昨年米国では、肥満や心疾患に悪影響を及ぼすトランス脂肪酸を含む食品の販売を2018年から禁止するという発表がありました。マーガリンや植物油脂の中に含まれているトランス脂肪酸は、アトピーを含めさまざまなアレルギー疾患の発症を増やすといわれています。パンやチョコレート、揚げ物などをたくさん食べた後に傷がかゆくなることがある場合は、食生活の見直しをすれば早く良くなっていきます。
[略歴] 平成 7年 徳島大学医学部医学科卒業 平成19年 JA高知病院形成外科・皮膚科医長 平成28年 高知記念病院 形成外科・皮膚科