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同性婚を医学的に考える
南国中央病院 宮本寛 医師
 今年2月14日、全国各地で同性婚に関する一斉提訴がありました。同性婚についての医学的視点は、SOGI (Sexual OrientationとGender Identityの頭文字)という言葉で説明されます。
 性的指向(Sexual Orientation)とは、自分が好きなのは、男性か、女性か、両方か、その他か、などと感じる心の指向を意味します。趣味のように自分の気持ちで変更できる「嗜好(しこう)」ではなく、自分で変更できない生まれつきの「指向」です。
 性自認(Gender Identity)とは、自分自身を男性か女性かそれ以外か、と感じる心の性で、体が男性(女性)の場合は自分は男性(女性)と感じていることが多いです。しかし、日本人の数%は体が男性(女性)でも心では自分を女性(男性)やどちらでもない、両方であるなどと感じていることも分かっています。
 体が男性(女性)で性自認も男性(女性)で、性的指向は女性(男性)という人が多いので、男女での結婚をするのが一般的です。しかし統計上、数百万人の日本人は体の性とは関係なく、自認する性と同じ性の人を好きになったり、両方を好きになったり、どちらでもなかったりする場合があることが分かっています。
 このように、体の性、性自認、性的指向の三つの要素の組み合わせが最低でも32通りあります。このことに関する正確な医学的知識を多くの人が持っていないことが、先進欧米諸国と異なり同性婚を認めない日本社会の現状であるといえます。
1995年3月 高知医科大学医学部医学科卒業 1995年4月 医療法人近森会 近森リハビリテーション病院 2009年4月 医療法人地塩会 南国中央病院