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切らずに注射で治す「いぼ痔」の治療 ―ジオン硬化療法の長期成績について―
高知記念病院 肛門外科・消化器外科・外科 金子 昭 医師
―いぼ痔(じ)の根本的治療は?
金子 根本治療には、①従来のいぼ痔を切り取る手術と、②肛門に傷をつけずに、いぼ痔を注射で固める「ジオン硬化療法」(以下、ジオン注射)とがあります。ジオン注射は日本で2005年に始まり、既に約60万人がこの治療を受け、一定の成績を得ています。

―「ジオン注射」の特徴は?
金子 ジオン注射は、肛門に傷をつけないため、①術後に痛みがほとんどない②手術の翌日には退院可能③局所麻酔で治療する、など、簡便に治療できることが大きな特徴です。

―すべてのいぼ痔にジオン注射が 効果的ですか?
金子 ジオン注射は、排便時に飛び出る「脱出性内痔核」と、出血を繰り返す「出血性内痔核」に有効ですが、常に肛門の外に出ている「外痔核」には注射が効きません。内外痔核合併時には、ジオン注射と外痔核切除とを同時に行う必要があります。切除すれば痛みが出ますが、局所麻酔治療と1泊の入院で済みます。
また、最近は脱出量の多い複数の内外痔核には、従来の切り取る手術とジオン注射を組み合わせて行うようになってきました。

―ジオン注射の再発については?
金子 7月に第12回内痔核治療法研究会が開催され、ジオン注射の長期予後が明らかになりました。10年経過再発率は15%であり、いぼ痔を切らない簡便な方法の割には低いことが判明しました。良性疾患であるいぼ痔の治療には、今後ジオン注射がさらに増えていくと考えられます。

昭和56年 山口大学医学部卒 平成2年 高知医科大学第一外科講師 平成18年 高知記念病院外科