Home  >>  南国中央病院  >>  ある一人の老人の話⑤
ある一人の老人の話⑤
南国中央病院 宮本 寛 医師
 入院中にはベッド上で横になっている時間がほとんどで、筋肉、心肺機能、脳への刺激などが減り、寝たきりで、経管栄養、尿便失禁、認知症になってしまったSさんが、退院後に自宅で徐々に元気になる過程を説明してきました。そして、家族との接触時間が増えたことで、さらに脳は活性化し自分の意見も言うようになりました。そうすると、家族の方が大変になってきます。入院中は大勢の看護師さんたちが交代で対応していましたが、家では1人か2人の家族だけです。そこで大切なのは家族だけで抱え込まず、介護保険制度による各種のサービスの利用です。家族でできることでも、ヘルパーさんにやってもらう、日中はデイサービスなどを利用して家族が休む、医学的に心配なことは訪問看護師さんに相談するなどです。また、まだまだ十分に知られていないのが訪問リハビリテーションです。家の環境で生活に必要な動作の練習をしたり、生活しやすいような環境設定をしたりすることで、入院中にはできなかった動作の練習や獲得ができ、結果的に家族が楽になります。
 家族が適度に「手を抜く」ことが、ストレスを減らし、ご本人と仲良く暮らしていくことにつながり、ご本人も元気になります。
1995年3月 高知医科大学医学部医学科卒業 1995年4月 医療法人近森会 近森リハビリテーション病院 2009年4月 医療法人地塩会 南国中央病院