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ある一人の老人の話①
南国中央病院 宮本 寛 医師
79歳のSさんは、元々30年前に起こした脳梗塞(こうそく)の後遺症で右半身まひ、失語症があった。要介護1で、何とか自宅内は歩くことができるが、転倒も多く、尿失禁があり、最近は便失禁も増えていたが、ヘルパーさんやデイケアを利用しながら1人暮らしをしていた。
また以前から来てもらっていたボランティアの高齢の親切な女性が、介護保険サービスだけでは手の届かない部分を細かく補ってくれていたこともあり、何とか生活ができていた。
ところがある日、脳出血を起こし、さらに続けて心筋梗塞を発症した。幸いにも、直ちに急性期病院でそれらの治療を受けることができた。高齢で不整脈や腎(じん)不全もあるためか、最善の治療を受けたにもかかわらず、心筋梗塞に見られがちな慢性心不全の状態となってしまう。
しかし2カ月後に回復期リハビリテーション病棟に転院した。そこでさらに3カ月間入院したのち、有料老人ホームに入り、新たな生活を始めることになった。
―一般的に、退院するよりも入院していた方がもっと元気になると思われがちですが、実はそうではないことを示すことになる、そんな生活が始まりました。病院ではなかなかできないちょっとしたケアが重要であることがよく分かるストーリーの始まりです。
1995年3月 高知医科大学医学部医学科卒業 1995年4月 医療法人近森会 近森リハビリテーション病院 2009年4月 医療法人地塩会 南国中央病院